会津伝統野菜
慶徳玉ねぎ栽培普及の会
1.慶徳玉ねぎの誕生

昭和初期ころ、当時の慶徳村(現喜多方市慶徳町)で生産されていた玉ねぎは、

種子の発芽率が低く、育った玉ねぎの質も安定しない状況でした。

そこで、会津地方で採種されていた品種「泉州黄」から、玉ねぎが肥大しない原因とされる「早期抽苔(そうきちゅうだい) 」という性質を取り除き、貯蔵性を向上させることを目標として、慶徳農協(当時)の山内衛技師らの努力により、改良選抜された品種が完成しました。

これが慶徳玉ねぎです。


2.慶徳玉ねぎの種は全国へ

慶徳玉ねぎの種を安定的に生産できるよう、種子を採取する「母球」は、慶徳村で改良された原種を完に淡路島で生産されました。

これを毎年、淡路島から慶徳地区に選び、採取部会に属す農家が栽培して、販売用の種子を採取しました。高品質の種子を流通させることに成功したことが功を奏し、昭和30年以降は全国で慶徳玉ねぎ栽培され、品質の良さが高く評価されるようになりました。

3.甘くて大きい!慶徳玉ねぎ

そして、昭和39年。慶徳たまねぎは玉ねぎで初めての農林水産大臣賞を受賞しました。

最大糖度14度、ジューシーでフルーツのような慶徳玉ねぎは栄養成分がたっぷりと含まれています。

サラダや肉じゃが、串揚げ、グラタンや餃子など、どんな料理にも合います。その中で最もおいしさが引き立つのは、厚めにカットしてステーキとして食べる「玉ねぎステーキ」です。
玉ねぎステーキは、慶徳玉ねぎの甘さが引き立つ逸品

豊子おばあちゃん

もともと栽培に手間がかかった品種のため、栽培する農家が激減。多くの農家はその生産をやめて他品種の玉ねぎや異なる作物へ移行していきました。

そんな中、 「孫においしい慶徳玉ねぎを食べさせたい」と思っていた女性が慶徳玉ねぎを栽培していることがわかりました。

60年あまり、慶徳たまねぎを作り続けてきた豊子おばあちゃんから種子を譲り受け、平成27年度、17名の農家があつまり普及の会が発足し、慶徳玉ねぎを次世代へ受け継いでいくことになりました。

会津伝統野菜慶徳玉ねぎは大切な「国産の在来種」です。

慶徳玉ねぎの特徴

その
甘い!

慶徳玉ねぎは糖度10度以上。
厳大糖度は14度にもなります。(一般的な玉ねぎF1種は78度)

その
大きい!

F1種(一般的な玉ねぎ)の平均が200gに対して、1300450gもあります。

その
栄養満点!

ビタミン、ミネラルなどの栄養成分がいっぱい!食べるサプリメントなんて言われています。

その
瑞々しい!

カットした瞬間にわかる、柔らかくフルーツのようなジュージーさ。

その
肥料にこだわった、安心・安全な栽培法

堆肥や食品残飯、なたね油の絞りかす、海水から取り出したニガリなど、肥料にこだわっています。また、農薬をほとんど使用していません。